まぁ、それほど大きな事件はないのですが、でもさる28日の日に起きた、久々のレモン脱走事件は、めまいがするほど怒りがこみ上げるやら、あわやという所で肝が冷えるやらという思いをさせられました。
28日と言うと、この前、久々のご挨拶として、味も素っ気もない更新をした日だけど、その時はまだ気持ちが沸騰していて上手く纏められなかったのでございます。
気持ちがある程度収まっている今も、上手く纏められず、ここから長い話しになります。
この日、私は朝食後、自室でゆったりのんびりしておりました。
過去に何度もレモンを脱走させてしまったり、脱走まで行かずとも、何が落ちているか分からないのでレモン立入禁止にしているキッチンへ入れてしまったりと、一緒にしておくのがちょっと心配な父だけなら、レモンも自室へ連れて行くのですが、この時は母もいたので、レモンは1階でも2階でも自分の好きなところへいられるようにしておりました。
ところがにわかに、玄関から「あ~!レモンが逃げた~!」と母の叫び声。
時間はお昼ちょっと前くらいでした。
出勤する車の通る時間ではないけれども、それでも車もバイクも全く通らないとは言えない時間帯です。
慌てて上着を羽織ってリードを掴み、「何で逃げたりするのさ!?」と母を責めるように怒鳴りながら、外へ飛び出しました。
その上着を羽織ながら階段を駆け下りつつ窓の外に目をやると、はす向かいの家の前にレモンが見えました。
けれども母の姿はどこにもなく、後で分かったのですが、母は玄関先でレモンが逃げたと叫んだ後、一緒にランチへ行く約束をした知人を迎えに、そのまま出かけてしまっていました。
その事に暫らくして気付いた私は、もう瞬間湯沸かし器のごとく、頭から湯気とついでに角も出まくります。
母がレモンが逃げたことを告げて、私が外に出るまで、多分2分、いや、もしかしたら1分と掛かっていないのかもしれないのですが、たとえ何秒だろうが、私が外に出るまでの僅かな間にでも、もしもバイクが通っていたなら、間違いなくレモンはバイクに突っ込んでいって、それでもう多分、レモン一巻の終わりだろうと思うわけです。
そういう状態だったのに、私が外に出てくるのを待ちもせずそのまま出かけていった母が、もう憎たらしいやら腹立たしいやら。
私を待っていたところで、その場にバイクが通りかかってしまったら、母には止められないかも知れないけれど、その時の行動には、レモンを外に逃がしてしまった事に対する、責任やら悔恨やらが全くかんじられず、いかにも無責任この上ない行動だと思い、もう腹がたってしかたがない。
でも今は、とにかくレモンを捕獲しなくてはと、そちらに集中する事にしました。
レモンはノーリードで外へ出たのが嬉しくてしょうがないといった様子で、その辺を駆け回っています。
捕まえようとしても、するりと私の脇の下をくぐって通り越し走って行っては、レモンを呼ぶ私の声に反応して戻っては来るものの、また脇の下をくぐって通り越して走っていってしまいます。
埒が明かず、大急ぎで家へ戻ってレモンのおやつを鷲掴みにしてまた外へ出、何とかおやつで釣って、側へ引き付けるのですが、上手く捕まえられないんです。
一番掴みやすい首輪へ手を伸ばそうとすると、するりとその手をかいくぐってしまうんです。
ヤバイヤバイと焦っているうちに、なんと後ろから、除雪のブルドーザーが!
それはウチの隣の児童公園に雪を捨てに来たようで、直進しては来なかったのですが、何しろレモンが、ブルドーザーを初めとする、道路工事で使われているような車のほぼ全てに吠え掛かって行くという、そんな癖があったので、もう私は顔面蒼白!
ブルドーザーがこちらにやってこなくても、レモンの方から飛び込んで行ってしまう危険度、大です。
そして、本当に私の脇をすり抜けてブルドーザーの方にレモンは駆けて行ったのです。
私は、半狂乱の金切り声で「レモンダメ!危ない!」と絶叫です。
その声に、さすがのレモンも鬼気迫るものを感じたのか、ブルドーザーの1、2メートル手前で止まって、奇跡的にこちらの方へ戻ってきました。
でも一難去ってまた一難。
後ろには乗用車が来ていました。
ぎゃー!!今度こそ轢かれると、また金切り声で「レモン!レモン!!」と連呼です。
あろう事かその車には母が乗っていました。
母が迎えに行った人の車だったので、我が家の前に止めるべく徐行もしていたし、何より私が道路のど真ん中で喚いているので、レモンを轢くことはなかったのですが、後ろにはまだブルドーザーも作業中で、何が起きてもおかしくない状況だったわけです。
母は私の半狂乱振りが、ご近所に対してみっともないと激怒し始めましたが、そんなことよりまずレモンです。
手にいっぱい持っていたおやつは、何度も捕獲に失敗して、あと2、3個しか持っていません。
捕獲のチャンスはもう何度も残っていない状態です。
ブルドーザーがまだ作業をしている以上、おやつをもう一度取りに戻ってる猶予はないんです。
それなのに母は、「そんな金切り声を出しているから、レモンも逃げるんだよ。オスワリさせておやつを食べさせている隙に捕まえればいいじゃない。」などと悠長な事を言っているのです。
リードがなくてウハウハで、後ろには大興奮を煽るブルドーザーがあるのに、残念ながらレモンは、そんな常態でおとなしくオスワリできるほど、落ち着きのある子ではありません。
何と言っても今は大興奮マックスなのです。一刻も早く捕まえなければなりません。
「いいからおやつで釣ってる隙に、レモンのしっぽ捕まえて!」と怒鳴って、ようやく捕獲できました。
二人なら、別に捕まえる所は首輪でもいいのですが、母の動作は私よりも緩慢だろうし、確実に捕まえられそうな所を指示しました。
で、お客様とのランチへ行った後、帰ってきた母に、往来で恥も外聞もなくあんな声出して!と怒られたのですが、そもそもその原因を作った事を棚に上げて、いきなり怒られるなんてどうなの!?と、ここでまた再び怒り爆発です。
母と怒鳴りあいのバトル勃発!
私が金切り声をあげたのは、ブルドーザーが来たからで、そういった車に対するレモンの反応を熟知していたからこそ、半ばパニクりながらの金切り声です。
私の切羽詰った危機を知らせる声に、レモンが反応して、ガラスにぶつからずに済んだとか、痛い目に遭わずに済んだ事はこれまでにも何度かあった訳だし、実際今回もその声に反応して、レモンはブルド-ザーに突っ込んでいくのを止めてもいる訳です。
それを意識してわざとに金切り声を出したわけではないけれど、誰だって愛犬があわや車に轢かれてしまう!なんて場面に遭遇すれば、叫び声の一つもあげると思うのです。
その辺のことを怒鳴りあいになりつつも、母に説明しようとして、「後ろにブルドーザーがいたでしょ!」というと、これが、母は全然そのブルドーザーの存在に気付いていなかったと言うのです。
老人特有の周りが見えてなさすぎ加減に唖然ともするのですが、母は母で、落ち着いてのんびりしたような事を言っているようでもレモンしか目に入っていなかったと言うので、それなりに慌ててもいたのかもしれません。
それにしたって、外に逃がしてしまった挙句、それを放って出かけていくってどうなのよと、その結果のレモンのピンチであり金切り声なのに、そこを詫びるどころか怒られるって、逆ギレにもほどがあると思うのです。
私はあんな状況でレモンを放って出かけるなんてどうかしていると怒り、悪くするとレモンが事故に遭って死んでしまうよと言うと、母は、そんなこと絶対起こりません!と断言するのです。
それを聞いた私は、二の句が告げられないほど、頭に血が上ってくらくらしてしまいました。
そんなこと絶対起こらないなら、去年、自転車に突っ込んで行って怪我をしたのはありゃどこの犬だったと言うのでしょう。
母はそんなことも忘れてしまったのでしょうか。
どんなに私が怒っても、お互い怒鳴りあいになってしまっては平行線を辿るだけなので、母はもともと予定していた外出をし、私は夕ご飯の材料買い出しと支度で一旦インターバルを取りました。
私が夕ご飯を作っている最中に、母は帰ってきたのですが、その時はレモンは一応私の目の届く所という事で居間にいました。
帰ってきた途端、母はレモンに向かって「レモンばか!バカレモン!」と、今度はレモンに怒っています。
勿論捕獲直後、私もみっちりレモンを叱っているし、脱走事件から時間も随分経っているので、今更レモンに怒ってもとも思ったけれど、そういう事をいちいち指摘するのももう嫌になってしまっていたので、そのまま放置していました。
実はあまりの憤りに、憤懣やるかたなく、気持ちのはけ口を求めて、夕食を作り始める前に、姉に事の次第をメールしていた私は、文章を打っているうちにだいぶ気持ちが収まっていたので、レモンに説教している母に「逃がしちゃってごめんなさいって言うのはないの?」となるべく穏やかに言いました。
そしたら母は言うに事欠いて、「レモンだって逃げちゃってごめんなさいって言ってない。」と言ったのです。
何じゃこの人と思ったのですが、残念ながらそれが私の母です。
そんな血が自分にも流れているのかと思うとガックリきます。
ま、こんなこともレモンも無事であったればこそ、やがては笑い話にでもなっていくのかもしれないけれど、今現在、レモン脱走問題が再浮上かと、父だけではなく母も相当危ういという事で、せっかく玄関扉の外にサンルーフがあってもう一枚ドアがあるのだから、その最後のドアを開ける前に、レモンが出てきていないか確認させる為、でかでかと、
あけるな!
開ける前に足元後ろ確かめて!
などと書かれた張り紙が張ってあり、訪れた方々に何事!?と思わせている次第です。

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