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3.避難場所でのペットを飼育していない人との関係作り
1番目のテーマで、とにかくまずはペットと一緒に避難をと言われ、避難所に堂々とペット連れで避難してきていいのだと分かったわけだが、そこから先の話である。
避難場所というのは、皆様ご承知のように家族ごとにスペースを区切られているわけではなく、プライベートな空間を作れない場所なのである。そういうところでは、皆だんだん疲弊して神経もピリピリしてくる。そこへ来て、やたらと吠え、躾けのなっていない犬がいたら、もう勘弁してくれとなってしまう。
ペットも避難所に一緒に入っていいという事は、吠えるのも躾が出来ていないのも、何もかもその子の家族同様に許すと言う意味ではないのだと、先生は繰り返し、仰っていた。
避難所にペットも一緒に連れて来てもいいということを、飼い主ですら認知度が低いのだから、飼っていない人たちであれば尚更もっと低く、ペット連れであることで白い目で見られるかもしれない。
そうならないよう、災害などが起こる前から、ペットと暮らす者にとってその存在は家族同然のものなのだという事を、動物を飼っていない人にも広く、社会認知して貰う必要がある。そのためにはやはり1にも2にも、きちんとした躾が必要になってくるという事になる。
有珠山噴火の時には、同行避難をした方の中でとてもよく躾けられて、吠えないし粗相もしない。クレートの中で何時間でも大人しくしているわんこがいて、その子の周りは、その子の飼い主家族だけでなく、その周りにいた家族まで癒して気持ちをほぐしていた子がいたそうである。
そうなると立派なセラピードッグではないかと思う。
逆に、躾がなっていなくて、吠えるわ粗相はするわ飼い主のフォローはなっていないわで、周りとトラブルになって強制退去をお願いされた方もいたと言う。
同行避難の是非は、飼い主の努力と心構えに掛かっているという事になる。
飼い主の努力と心構えとは、具体的には何かと言うと、やはり躾をする努力とマナー向上である。
もっと具体的に言うと、
・吠えないこと 吠えさせないこと 飼い主は吠えをコントロールできなければならないだろう。苦情の中でも吠えの問題が多かったそうである。
・トイレトレーニング ・クレートトレーニング
これが最低限の躾だそうである。
また、救護センターへ預けなければいけない場合を考えると、普段からお留守番が出来るようにすること。ワクチン接種 ノミダニ予防 去勢避妊手術もしておいたほうがいいと言う。
有珠山噴火の時には、ワクチン接種をしていない猫が結構いて、猫間で伝染病が発生し、それが広がらないように先生やお世話をして下さるボランティアさん達が大変苦労したそうである。
また、避妊去勢をしていないわんこの中で、ヒートを迎える子が出た場合、凶暴になってしまうオスが出たりして、これもまた、お世話をして下さる方々に苦労させてしまうどころか怪我を負わせてしまいかねないことになる。
実際、有珠山の時には、放浪中に妊娠したのか救護センターに来てからなのか定かではないが、妊娠してしまった子が2頭いたのだそうである。その2頭が産んだ子犬が全部で11頭。
昨日の記事で里親を探さなくてはいけなくなった子が11頭いたと書いたが、実際にはプラス11頭の子犬合わせて22頭の里親探しをしたのだそうである。
ボランティアさんの話がちょっと出たが、有珠山噴火の際の動物救護センターに駆けつけたボランティアの方々は、非常に献身的で素晴らしい働きをしてくれたそうである。
最初に救護センターを立ち上げた場所は、建設会社の敷地を借してくださり、住宅街の中だったそうなのだが、最初は同情的に受け入れてくださった近隣の方々も、鳴き声や動物特有の臭いなどで、だんだんと不満が出てきたそうなのである。
そこでボランティアの方々が、その地区一帯の清掃活動も動物の世話の合間にして、近所の方と気持ちの良いコミュニケーションをして、理解していただけるに至ったと言うのである。
本当に周りに受け入れてもらうには、こうした努力の積み重ねなのだろう。
同行避難した際には、飼い主同士でグループを作り、避難所でのルール作りをするといいのだそうである。そうしてグループの中で助け合ったり、客観的に周りに迷惑をかけていないかチェックしあったりすると良いのだそうである。
また、災害時の特殊な状況下では、ワクチン接種と避妊去勢はしておいた方がいいのだが、この2つには賛否両論があるわけで、どうしてもそれが出来ずかと言って災害時に誰かに迷惑をかけてしまいたくない飼い主はどうしたらいいのか。
それは、お友達なり親戚なり、少し離れた所に住む方の所へ、預け先をキープしておくといいのだそうだ。
時々具体的にそういう話しをしておくといいのだろう。そういうことであれば、時々は平常時でもお泊りさせてみてもいいかもしれない。
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