公共の場を利用するに当たってその禁止事項を破った話など、本当はこういう公の場ではするべきではないだろう。しかし、自分を戒める意味においてもこの前の事は書いておこうと思うのだ。
その日は久々にたっぷりと雪が降り続き、ボール遊びを終えて雪の降りしきる中、もう帰ろうと公園の中を歩いていた。
雪は吹雪くと言うほどでもないが、十数メートル先が雪でけぶって見えないほどの結構な降りっぷりであった。もう辺りは暗く、そんな天気で人も全くいなかった。そんな中レモンはいつものように元気にリードを引っ張るのである。
今、この瞬間、ちょっとの間レモンが自由に走るくらいなら誰にも迷惑はかけないし、車道から遠いこの場所ならレモンに危険が及ぶ事もないだろう。そう思った私は持っていたリードを放したのである。
レモンは、ワーイ!とばかりに駆けて行く。が、ある程度走った所でハタと立ち止まりこちらを振り返った。かと思うと大急ぎで駆け戻ってきて『何でリードを放すんだ!!
』と言わんばかりの猛抗議。今シーズン買ったばかりの、そして来シーズンにも活躍して欲しいダウンコートの袖や内側起毛のブーツに穴も開かんばかりの勢いで齧りつくのである。ごめんなさい。すみません。私が悪かった。分かった、分かったとリードを持つと、レモンは再び上機嫌でリードを引っ張り出すのである。
いや、だから、さぞや自分のペースで走ったり歩いたりしたいのだろうと思ってリードを放したんだけどね。そう思ってまたリードを放してみると、バビューンとある程度走っていくものの、また振り向いて大急ぎで戻ってきて猛抗議。
ああ、ごめんなさい、今度のはちょっとした悪戯心、もうしません。
そんな事を言いながら、リードを持つと上機嫌になる。
以前にもレモンはリードの何たるかを知っているのではないかと書いたが、この一件で私は確信した。
レモンは絶対リードの意味を知っているに違いない。
リードが付いているとうざい事この上ないが、リードのない自由さは事件や事故に遭うリスクを伴う自由なのだ。だからリードとは飼い主がしっかり握っていてこそ引っ張り甲斐のある物なのだ。飼い主がリードを持っているから、何にも考えずに好き勝手に動けるのだ。と、こう理解してるに違いない。
何か少し解釈の仕方に疑問は感じるものの、概ね間違ってはいないので、いくら条件が揃っていてももう公園でリードを放すのは止めようと思ったのである。
放されている本犬からお叱りを受けたのでは、人間様として犬飼いとして立つ瀬がないのである。

さて、リードについてレモンが誤解している部分はどうやって教えようかと悩む飼い主に、ポチッとお願い。

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